データの質から量の転化について

昔、「先入観を持つな」と教わった。データに対して先入観を持ってしまうと、全ての異常を見いだすことができないから、と。


これからはむしろ、健全な先入観を持って、データに対峙すべきなのだと思う。


ある症状の患者さんを見たら、その症状から致命的な経過をたどりうる病気はいくつかに限定される。


まずはそれを見つけるためだけに、目的を限定してからデータに対峙すれば、データの量は質に転化して、恐らくは人間の足りない知識だとか、集中力を助けてくれる。


莫大な知識を持って、わずかなデータからできる限りの意味を引き出すのが昔のやりかたなら、莫大なデータ量に、先入観で絞り込みをかけることで、属人的な知識とか、判断力の追放を試みることが、これから目指すべき方向なんだと思う。


検査に対する富豪的態度