「もの」の強制力

薬というものは、人体のある反応を、別の反応で置換することで、特定の効果を発揮する。人の動作というものもまた、「もの」が後押しする特定の振る舞いを利用したり、同じ形の、違った機能を持った何かで、その人を取り巻く「もの」を上書きすることで、その人をコントロールできるのだろうと思う。

「もの」と「情報」との境界は、たぶん相当にあいまいなもので、「アフォーダンスで環境を上書きする」手法というものが、これから先、たとえば医療だとか、あるいは広告の業界で、安静を指示する「もの」だとか、食欲や、購買意欲を後押しする「もの」のデザインや、機能の上書きといった形をとって、きっと伸びてくるんだろうと思う。


「もの」と「情報」の界面